2022年度カナダオンライン研修in棚倉

2022年度カナダオンライン研修in棚倉

 

令和4年10月12日(水)~10月15日(土)にかけて、福島県棚倉町の「ルネサンス棚倉」にてカナダオンライン研修が実施されました。

 今年度も新型コロナウイルス感染症拡大のためイギリス海外研修は中止となってしまいましたが、コロナ禍の新しい取り組みとして始まったカナダオンライン研修も、今回で3回目となります。今年は1、2年生から9名の生徒が参加しました。

 この研修に向けて、生徒たちは白堊祭が終わってから入念に準備を進めてきました。カナダの大学生とディスカッションやプレゼンテーションができるよう英語の力を磨き、研修のテーマとなるSDGsに関する内容についても学んできました。

 

1日目

福島県棚倉町のリゾート型多目的宿泊施設、ルネサンス棚倉へバスで向かいました。

 

 

到着後、お昼ごはんを食べ、簡単なオリエンテーションを行いました。

午後からはウォーミングアップとして、オンライン英会話レッスンです。フィリピンの語学学校の先生たちとSkypeでつなぎ、様々なテーマで英会話をし、頭を英語モードに切り替えました。1人、25分×4回のレッスンで、4人の先生と会話を楽しみました。最初は言葉に詰まっていた生徒たちも、回を追うごとにすらすらと英語が出てくるようになっていきました。

  

 この日の夜は、また別の外国人講師ともオンライン英会話を行いました。また、研修後に作成するポスターについての打ち合わせも行いました。

2日目

 オンラインプログラムを主催するカナダ、バンクーバーのJAN-Linkとつなぎ、PBLについて説明をしていただきました。PBLとはProblem Based Learningの略で、問題発見、課題解決型学習のことです。また、JAN-Link代表の佐藤さんからは、「グローバル人材としてのマインドセット」について熱くレクチャーしていただき、生徒たちの心にも火が点いたようでした。

  

 ついにUBC(University of British Columbia)の大学生バディと対面です。まずはお互いに自己紹介をし、アイスブレイクを行いました。前日の夜の課題として、それぞれのグループ名を考えていたのですが、その由来についてバディに向けて説明しました。そして、生徒が事前に準備したSDGsのプレゼンテーションを行いました。

その後、SDGsに関する「ブレーンストーミング」を行い、身近な問題について様々なアイディアを出し合って頭の中を整理しました。

  

 午後は疲れた頭と体をほぐすためのダンスアクティビティ。もちろん、使用言語は英語です。添乗員の高安さんがインストラクターを務めてくださり、生徒たちは創作ダンスを楽しんで、あっという間の90分を過ごしました。

 

 夜は翌日の研修に向けて課された宿題に取り組みました。英語の運用、SDGsの解決策について考えるという宿題でした。

 

3日目

 研修は続きます。まず、前日の振り返りと各自の課題を再確認した後に、バディに日本紹介のプレゼン(茨城県について、日立市・学校について)をしました。最終日のプレゼンテーションに向けて練習を重ね、カナダのバディからもたくさんの示唆を受け、発表の内容を磨き上げていきます。バディからは「Why ?」、「How ?」と繰り返し問われます。それに理路整然と、しかも英語で答えるのは大変、難しい作業です。生徒たちは苦しみながらもグループで協力し、言葉を紡ぎ出していました。

  

 午後はリフレッシュタイム。テニスです。ルネサンス棚倉の経験豊富なインストラクターの大川原さんが基礎から優しく、丁寧に教えてくださいました。

 

 翌日の発表に向けて、夜も研修は続きます。満足のいく仕上がりになるまで、手は抜けません。各グループ、自分の分担部分のスライドと伝える内容をまとめてから就寝することになりました。中には研修室から部屋に戻ってからも準備をした生徒もいたようです。

  

4日目

 まず最後の振り返りと課題の確認をした後に、日本紹介のプレゼン(日本の高校生について、日本文化とアニメについて)をしました。その後、いよいよプレゼンテーション本番です。ここまで作り上げた資料をもとに、メンバー全体に向けて発表します。各グループのテーマは以下の通りです。

・Save the stray animals

・Negative impacts of social media on studying

・Let‘s help students suffering from heavy backpacks

  

 それぞれのグループがバディとともに、SDGsに関する自分たちの身近な問題について考え、調べ、まとめたことがよく伝わってくるプレゼン発表となりました。リフレクションでは全体を振り返り、お互いが褒め合い、見事にやり遂げることができた達成感に溢れていました。バディとはたったの3日間でしたが、濃密な時間を過ごしたため最後の別れは皆、名残惜しそうでした。

 

棚倉を去る時が来ました。大仕事を終え、充実のこの表情です。

 

 4日間の研修を通し、生徒たちは様々な経験をすることができました。実際に海外に行くことは叶わなかったものの、少人数のグループに分かれ、カナダ人のバディと英語で会話をする時間は存分にとることができたのではないかと思います。最後には、無事にプレゼンテーションを成功させましたが、そこに至る道のりは決して楽なものではありませんでした。相手の言っていることが聞き取れない、思うように言葉が出てこない、自分の意図が誤って伝わってしまう……。きっと後悔も、それぞれにあったことと思います。しかし、苦しみながらもなんとか心を通わせようと、言葉を尽くそうとした経験は、きっとこの後の成長に繋がるはずです。いつかまた自由に海外を飛び回れる日が来ることを信じ、その時のために彼らが力を蓄えていくことを応援し続けていきたいです。